●いろいろな事業所に見学に行き、
施設長さんなりに案内してもらう機会があります。
その際「ここの○○はいいでしょ」とか
「あれも△△でいいでしょ」と言われるのですが、
さすがに案内してもらっているだけに何も言いませんが、
これはちょっとなあと思うことが少なくありません。
要するに、介護事業の経営者や施設長には
過大な「自己満足」に陥られている方が多いのです。
また、こういうところもありました。
ある老健施設を訪ねてみると、理事長は都道府県の
社協か何かの冊子に載ったものを私に見せて、
「こういうところにも紹介されています」
と自慢げに言われるのですが、
その後ろのデイケアでは職員が大勢でたばこを吸いながら、
お年寄りを見ているだけです。
唖然としましたが、行政に紹介される情報も
こんなもんかと思った次第です。
まあこれはひどい例を挙げたのかもしれませんが、
「困っている人を助けてあげている」
「いいことをしてあげている」といった発想が
一部の介護事業者にあるからだと思います。
また、利用者や家族も
「とにかく施設に入れればいい」
「入れてくれるだけでありがたい」という状況なので、
こういった事業者を自己満足に陥らせているのだと思います。
「うちはいいですよ」という事業者・施設長が、
一体どこと比較して、何を基準に言われているのでしょう。
安易にそう説明するところは一歩引いて見てみるのが
懸命かもしれません。
2007年05月21日
2007年05月05日
「施設長や介護責任者から話を聞こう」
○前回まで、これから働く職場として選択する、
または介護サービスを利用するという方々のために
「介護サービス情報の公表」制度を利用して、
事業所の見方を紹介してまいりました。
しかし、公表された情報、データなどからある程度のこと
がわかったとしてもなかなか実像は見えてきません。
また、公開されたデータは過去のデータでもありますので、
その結果どういう取り組みをしているのかということも
重要です。
たとえば離職率の高いある特養ホームでは、
なんとか職員が定着してもらえるよう施設長が率先して
施設を良くしていこうと、今まさに頑張っておられる
ところもあります。
職員の離職も1人出れば、それに引きつられてどどっと
辞め、今まで雰囲気の良かった施設が一気に悪化していく
ことがある反面、
一旦いい方向に向かえば、どんどん職場の雰囲気も
良くなっていくこともあるのです。
ですから、今現在どういう方向に向かっているのか
ということが大事なのです。
○今現在の取り組みやその事業所の実情を知る上で、
一番てっとり早いのが、これまで述べてきた情報やデータ
を頭に入れながら、施設長や介護責任者に直接話を聞く
ことです。
どういう方針でどんな介護を目指しているのか、
紙に書かれたものではなく自分の言葉で話されているか
どうか、職員が定着しそうな勤務体系、職場環境なのか
どうか、
また、施設長や介護責任者にどういう経歴を経てなって
いるのか等、疑問に思うことはすべて聞いてみることです。
施設長や介護責任者の経歴と書きましたが、
これは意外と重要なのです。
役所からの天下りや親会社から出向者など、
介護に関する知識もなく、あまり興味もないといった
施設長の場合、介護の責任者がよっぽど現場のことを
よくわかって現場を引っ張っていける人でない限り、
現場職員もお年寄りも悲惨です。
現場の大変さやお年寄りの状態が理解できない、
理解しようとしないので、やることなすことが
現場にとって迷惑なことが多いからです。
職員もお年寄りも振り回されることになりかねません。
まだ1日中新聞でも読んでいてくれたほうがましなのです。
その他にも、施設長、介護責任者ともに設置母体から
派遣され、両者とも現場の運営ノウハウがないので、
結局現場職員にとって相談できる人がいない、
現場で起こるややこしい話はその職員にしわ寄せが
いくといった話も聞きます。
施設長にいくら専門知識があっても、ひどい処遇をする
ところはあるのですが、要するにその施設がどういう方向
に向かうのかは施設長のバランス感覚、能力次第だ
ということが言いたいのです。
●この介護の世界、建物は立派でもめちゃくちゃな運営を
する施設、めちゃくちゃな経営者というのが存在するのも
事実です。
昔、私が初めてボランティアにいった特養ホームの理事長も
それは強烈な方でした。
病院の経営者で医者でもあるのですが、
年末行事のあいさつの時に、お年寄りを前にして
「おまえら言うこと聞かなかったらオーム(心理教)に
入れるぞ」とお年寄りを脅し、経営者として全くふさわしく
ないことを言われたのです。
お年寄りはもちろん、職員の方々も怒っておられました。
こんなところも氷山の一角です。
これから職場を選ぶ皆さんには、
入ってから職場の実状に幻滅を覚えるまえに
まず施設長や介護責任者の方から話を聞いてみることを
おすすめします。
または介護サービスを利用するという方々のために
「介護サービス情報の公表」制度を利用して、
事業所の見方を紹介してまいりました。
しかし、公表された情報、データなどからある程度のこと
がわかったとしてもなかなか実像は見えてきません。
また、公開されたデータは過去のデータでもありますので、
その結果どういう取り組みをしているのかということも
重要です。
たとえば離職率の高いある特養ホームでは、
なんとか職員が定着してもらえるよう施設長が率先して
施設を良くしていこうと、今まさに頑張っておられる
ところもあります。
職員の離職も1人出れば、それに引きつられてどどっと
辞め、今まで雰囲気の良かった施設が一気に悪化していく
ことがある反面、
一旦いい方向に向かえば、どんどん職場の雰囲気も
良くなっていくこともあるのです。
ですから、今現在どういう方向に向かっているのか
ということが大事なのです。
○今現在の取り組みやその事業所の実情を知る上で、
一番てっとり早いのが、これまで述べてきた情報やデータ
を頭に入れながら、施設長や介護責任者に直接話を聞く
ことです。
どういう方針でどんな介護を目指しているのか、
紙に書かれたものではなく自分の言葉で話されているか
どうか、職員が定着しそうな勤務体系、職場環境なのか
どうか、
また、施設長や介護責任者にどういう経歴を経てなって
いるのか等、疑問に思うことはすべて聞いてみることです。
施設長や介護責任者の経歴と書きましたが、
これは意外と重要なのです。
役所からの天下りや親会社から出向者など、
介護に関する知識もなく、あまり興味もないといった
施設長の場合、介護の責任者がよっぽど現場のことを
よくわかって現場を引っ張っていける人でない限り、
現場職員もお年寄りも悲惨です。
現場の大変さやお年寄りの状態が理解できない、
理解しようとしないので、やることなすことが
現場にとって迷惑なことが多いからです。
職員もお年寄りも振り回されることになりかねません。
まだ1日中新聞でも読んでいてくれたほうがましなのです。
その他にも、施設長、介護責任者ともに設置母体から
派遣され、両者とも現場の運営ノウハウがないので、
結局現場職員にとって相談できる人がいない、
現場で起こるややこしい話はその職員にしわ寄せが
いくといった話も聞きます。
施設長にいくら専門知識があっても、ひどい処遇をする
ところはあるのですが、要するにその施設がどういう方向
に向かうのかは施設長のバランス感覚、能力次第だ
ということが言いたいのです。
●この介護の世界、建物は立派でもめちゃくちゃな運営を
する施設、めちゃくちゃな経営者というのが存在するのも
事実です。
昔、私が初めてボランティアにいった特養ホームの理事長も
それは強烈な方でした。
病院の経営者で医者でもあるのですが、
年末行事のあいさつの時に、お年寄りを前にして
「おまえら言うこと聞かなかったらオーム(心理教)に
入れるぞ」とお年寄りを脅し、経営者として全くふさわしく
ないことを言われたのです。
お年寄りはもちろん、職員の方々も怒っておられました。
こんなところも氷山の一角です。
これから職場を選ぶ皆さんには、
入ってから職場の実状に幻滅を覚えるまえに
まず施設長や介護責任者の方から話を聞いてみることを
おすすめします。
2007年04月10日
「自己研修のすすめ」
●医療の世界ではEBM(Evidence based medicine)、
科学的根拠に基づいた医療と言われるようになり、
さらに介護の世界でもEBC(Evidence based care)
とまで言われるようになってきました。
しかし、依然として多くの介護現場では、
主任や施設長の思いつきのような発言によって
日々多くの介護職員が翻弄されています。
結果としていい介護をしているならそれでいいのでは?
と思われるかもしれませんが、こういった事業所には
大きな危険性が潜んでいます。
つまり、「主任が○○言ってるから○○する」とか
「施設長が△△言ってるから△△してください」
というような何の説明もない、ただやることを指示するだけ
というのは、結局考えない職員を育成しているだけなのです。
職員としても、おかしいと思いつつも何も言えず
いやいやながら従っていたりするので、介護の
やりがいや楽しさといったものとはほど遠い状態です。
●最近も千葉県の介護施設ではお年寄りをペット用のオリに
閉じ込めるというようなことをしていたようですが、
人もいないし、短絡的にこうしないと問題行動は収まらないと
上司に言われるがまま、職員は従っていたのでしょう。
しかし、本来、上司が指示する拘束ケアに、
たとえばこうしたらいいのではないでしょうかと
違った角度から考え、提案していかなければなりません。
そうしない限り、介護の質は向上していきませんし、
マンネリ化が進み、問題は悪化するだけです。
職員にとってもその提案によって少しでも改善したならば
日頃の仕事も楽しく、やりがいのあるものになるでしょう。
●介護の仕事を楽しく、やりがいのあるものにするためにも
自己研修をしなければなりません。私が考える自己研修の
ポイントを参考までに紹介します。
------------------------------------------------------
1、専門誌などにも目を通す
端から端まで読む必要はありませんが、仕事に活かせる
ヒントはあるので是非1つは自分で購読してください。
(参考までに以下に例示します)
2、講演会やセミナーなどに参加する
職場から行かせてもらうのも限られているので、休みを
利用して参加してみましょう。書籍では得られない話
を聞いたり、職員同士の交流につながるかもしれません。
3、興味を持った事業所を訪ねて話を聞く、見せてもらう
百聞は一見にしかずというように実際にその場の
雰囲気を感じて理解することは大切です。また疑問に思った
ことなど直接現場の職員に質問することもできます。
4、介護以外の本や新聞を読む
利用者に向き合うことは利用者の人生そのものに向き合う
といっても過言ではありません。ですから介護以外の経験
や知識、情報が利用者への理解を深めることになるのです。
5、絶えず考える
自分が利用者ならどう感じるのか、今やってるケアを
違った角度から考えるとどうなのか、など絶えず冷めた目で
自らの行動を考え直し、改善していく。
6、意見交換する、意見を言う
怖い主任ならば言うのも憚られるかもしれません。
しかし、プロの介護職員である皆さんは自らの考えを主張して
いかなければなりません。また自信のない考えでもまずは
同僚の職員と意見交換して考えを深めていきましょう。
議論すればするほど皆さんの事業所は活性化していくはずです。
------------------------------------------------------
(参考・主な専門誌)
●「おはよう21」(中央法規出版)月刊・年13728円
専門職として、更なる熟練を目指す方々のための総合専門誌。
おはよう21 2007年05月号 [雑誌]
価格:¥920(定価:¥920)
http://www.amazon.co.jp/dp/B000O76VFM/ref=nosim/?tag=careworks-22
●「りんくる」(中央法規出版)隔月刊・年5592円
認知症の人の支援において、大切なこと、確かなこと
できることを中心に役立つ知識、技術情報を満載。
●「ケアマネジャー」(中央法規出版)月刊・年12504円
ケアマネジメントの本質を見据えながら、現場ですぐに役立ち、
知識・教養が深まる記事を中心に構成。
●「ホームヘルプ」(オークラ出版)隔月刊・年5280 円
ホームヘルプ2007年04月号 [雑誌]
価格:(定価:¥880)
http://www.amazon.co.jp/dp/B000N95EJ0/ref=nosim/?tag=careworks-22
●「月刊ケアマネジメント」(環境新聞社)月刊・年11400円
ケアマネジャーにとって必要な「社会の情報」を提供し、
そのあり方を一緒に考えていく雑誌。
●「月刊総合ケア」(医歯薬出版)月刊・年21546円
在宅ケア・施設ケア・地域ケアに取り組む第一線スタッフの
ための最も先端的な情報発信基地.各専門職の相互交流の場
月刊総合ケア 2007年04月号 [雑誌]
価格:¥1,890(定価:¥1,890)
http://www.amazon.co.jp/dp/B000O78U88/ref=nosim/?tag=careworks-22
その他、日総研からも多くの専門誌が出版されています。
http://www.nissoken.com/
科学的根拠に基づいた医療と言われるようになり、
さらに介護の世界でもEBC(Evidence based care)
とまで言われるようになってきました。
しかし、依然として多くの介護現場では、
主任や施設長の思いつきのような発言によって
日々多くの介護職員が翻弄されています。
結果としていい介護をしているならそれでいいのでは?
と思われるかもしれませんが、こういった事業所には
大きな危険性が潜んでいます。
つまり、「主任が○○言ってるから○○する」とか
「施設長が△△言ってるから△△してください」
というような何の説明もない、ただやることを指示するだけ
というのは、結局考えない職員を育成しているだけなのです。
職員としても、おかしいと思いつつも何も言えず
いやいやながら従っていたりするので、介護の
やりがいや楽しさといったものとはほど遠い状態です。
●最近も千葉県の介護施設ではお年寄りをペット用のオリに
閉じ込めるというようなことをしていたようですが、
人もいないし、短絡的にこうしないと問題行動は収まらないと
上司に言われるがまま、職員は従っていたのでしょう。
しかし、本来、上司が指示する拘束ケアに、
たとえばこうしたらいいのではないでしょうかと
違った角度から考え、提案していかなければなりません。
そうしない限り、介護の質は向上していきませんし、
マンネリ化が進み、問題は悪化するだけです。
職員にとってもその提案によって少しでも改善したならば
日頃の仕事も楽しく、やりがいのあるものになるでしょう。
●介護の仕事を楽しく、やりがいのあるものにするためにも
自己研修をしなければなりません。私が考える自己研修の
ポイントを参考までに紹介します。
------------------------------------------------------
1、専門誌などにも目を通す
端から端まで読む必要はありませんが、仕事に活かせる
ヒントはあるので是非1つは自分で購読してください。
(参考までに以下に例示します)
2、講演会やセミナーなどに参加する
職場から行かせてもらうのも限られているので、休みを
利用して参加してみましょう。書籍では得られない話
を聞いたり、職員同士の交流につながるかもしれません。
3、興味を持った事業所を訪ねて話を聞く、見せてもらう
百聞は一見にしかずというように実際にその場の
雰囲気を感じて理解することは大切です。また疑問に思った
ことなど直接現場の職員に質問することもできます。
4、介護以外の本や新聞を読む
利用者に向き合うことは利用者の人生そのものに向き合う
といっても過言ではありません。ですから介護以外の経験
や知識、情報が利用者への理解を深めることになるのです。
5、絶えず考える
自分が利用者ならどう感じるのか、今やってるケアを
違った角度から考えるとどうなのか、など絶えず冷めた目で
自らの行動を考え直し、改善していく。
6、意見交換する、意見を言う
怖い主任ならば言うのも憚られるかもしれません。
しかし、プロの介護職員である皆さんは自らの考えを主張して
いかなければなりません。また自信のない考えでもまずは
同僚の職員と意見交換して考えを深めていきましょう。
議論すればするほど皆さんの事業所は活性化していくはずです。
------------------------------------------------------
(参考・主な専門誌)
●「おはよう21」(中央法規出版)月刊・年13728円
専門職として、更なる熟練を目指す方々のための総合専門誌。
おはよう21 2007年05月号 [雑誌]
価格:¥920(定価:¥920)
http://www.amazon.co.jp/dp/B000O76VFM/ref=nosim/?tag=careworks-22
●「りんくる」(中央法規出版)隔月刊・年5592円
認知症の人の支援において、大切なこと、確かなこと
できることを中心に役立つ知識、技術情報を満載。
●「ケアマネジャー」(中央法規出版)月刊・年12504円
ケアマネジメントの本質を見据えながら、現場ですぐに役立ち、
知識・教養が深まる記事を中心に構成。
●「ホームヘルプ」(オークラ出版)隔月刊・年5280 円
ホームヘルプ2007年04月号 [雑誌]
価格:(定価:¥880)
http://www.amazon.co.jp/dp/B000N95EJ0/ref=nosim/?tag=careworks-22
●「月刊ケアマネジメント」(環境新聞社)月刊・年11400円
ケアマネジャーにとって必要な「社会の情報」を提供し、
そのあり方を一緒に考えていく雑誌。
●「月刊総合ケア」(医歯薬出版)月刊・年21546円
在宅ケア・施設ケア・地域ケアに取り組む第一線スタッフの
ための最も先端的な情報発信基地.各専門職の相互交流の場
月刊総合ケア 2007年04月号 [雑誌]
価格:¥1,890(定価:¥1,890)
http://www.amazon.co.jp/dp/B000O78U88/ref=nosim/?tag=careworks-22
その他、日総研からも多くの専門誌が出版されています。
http://www.nissoken.com/
2007年03月19日
「経験者のバランス」
●さて、皆さんがもし何かのスポーツで上手になりたい
とすれば、「経験者が集まったチーム」か
「新人ばかりのチーム」のどちらを選びますか?
今、指導者もほとんど顔を出さないような
「新人ばかりのチーム」が介護の現場では増えています。
●介護職員は交代勤務による引継ぎや看護職員や事務職員など
の他職種との連携において、常にチームプレーが求められて
いるという点で、サッカーなどのスポーツによく似ています。
東京大学助教授の玄田有史さんは『働く過剰』という著書
の中でこう述べています。
「スポーツでも、会社でも、安定した組織とは、
結局のところ、ベテラン、中堅、若手が
それぞれバランスよく構成されている場合である。」
情報の公表制度では、
職員の業務経験年数や介護福祉士の数など、その事業所ごとに
公表しており、経験者のバランスを確認することができます。
東京では業務経験1年未満の職員が96%を占めるという
有料老人ホームもありました。
経験十年以上のベテランばかりで、介護もマンネリ化、
組織が硬直化しているのも問題ですが、経験一年未満の職員が
ほとんどというのも考えものです。
玄田さんが言われるようにバランスが必要なのです。
さらに本の中では、
「どんなに強いサッカー・チームでも、ベテランだけが
重用されて若手の登用や育成がなおざりになると、
ベテランが早晩引退したときにチームの力は急速に衰える。
組織の最高責任者が、長期的な視点から三者のバランスに
たえず神経を注ぎ、その微妙な均衡に苦心している組織こそ、
強い状態を安定的に続けることができるのだ。」
とあるように、最近、老施協総研が行った調査でも
“離職率が低い施設ほど計画的に職員の採用を行っている”
という結果が出ています。
●最近は職員を募集しても経験者やヘルパー二級資格取得者も
集まらない状況で、無資格者も積極的に入れている事業所
も出てきています。
しかし研修もほとんどない中で、
いきなりOJTといって現場に入れるので、
知識や技術面などの職員間格差があまりにも大きく、
現場職員がとまどうことが多いという声もあります。
結局のところ、資格や経験のない状態で現場に入ってきても、
基本的なスキル、考え方などを教え、あとは現場でのOJT
がしっかりしていれば、最初はとまどったとしても
徐々に慣れてくるので問題はないのです。
つまり、基本を叩き込む研修の仕組み・ノウハウ、
育て上げるだけのマンパワー、経験者の層がしっかりと
あれば、介護の質は維持されていくのです。
きちんとした研修もないまま、職員の数合わせとして
現場に入れられるので、結局介護の意義や楽しさを感じる
ことなく辞めていくのです。もったいない話です。
●地域によっては介護の人材が集まらないという状況で、
質の向上という名の下に、介護職員の資格制度や研修制度を
厳しくし、入口を狭めているのにはかなり違和感を感じます。
今後、介護職員基礎研修を導入することによって、
新たに金銭的、時間的な負担が出てくることから
現場を去っていく方も出てきています。
中身のある研修かどうかわからない中で、ただ時間数だけを
一律に決めていく国のやり方には問題があるのではない
でしょうか。机上の理想論だけでは現場はまわりません。
話は戻りますが、職員を育てようとしない事業者は、
サービスの質が低下し、利用者に選択されなくなる時が
やってくるのではないかと思います。
バランスのとれた職員層
しっかりした研修内容・フォローの体制が整っている
ということが今回のポイントです。
---------------------------------------------------
☆今度の介護福祉士法改正では“准介護福祉士”が創設される
予定です。私の勝手な予想ですが、外国人介護士の受け入れが
スムーズに進まなければ、なし崩し的に、外国人受け入れのための都合のいい資格になるのではないかと心配しています。
外国人介護士を積極的に受け入れたい施設側と
少しでも収益につながるような制度改正にしたい養成施設、
介護人材不足をお金をかけずに手っ取り早く解決したい厚生労働省
が結びついた結果が“准介護福祉士”になったのだと思います。
とすれば、「経験者が集まったチーム」か
「新人ばかりのチーム」のどちらを選びますか?
今、指導者もほとんど顔を出さないような
「新人ばかりのチーム」が介護の現場では増えています。
●介護職員は交代勤務による引継ぎや看護職員や事務職員など
の他職種との連携において、常にチームプレーが求められて
いるという点で、サッカーなどのスポーツによく似ています。
東京大学助教授の玄田有史さんは『働く過剰』という著書
の中でこう述べています。
「スポーツでも、会社でも、安定した組織とは、
結局のところ、ベテラン、中堅、若手が
それぞれバランスよく構成されている場合である。」
情報の公表制度では、
職員の業務経験年数や介護福祉士の数など、その事業所ごとに
公表しており、経験者のバランスを確認することができます。
東京では業務経験1年未満の職員が96%を占めるという
有料老人ホームもありました。
経験十年以上のベテランばかりで、介護もマンネリ化、
組織が硬直化しているのも問題ですが、経験一年未満の職員が
ほとんどというのも考えものです。
玄田さんが言われるようにバランスが必要なのです。
さらに本の中では、
「どんなに強いサッカー・チームでも、ベテランだけが
重用されて若手の登用や育成がなおざりになると、
ベテランが早晩引退したときにチームの力は急速に衰える。
組織の最高責任者が、長期的な視点から三者のバランスに
たえず神経を注ぎ、その微妙な均衡に苦心している組織こそ、
強い状態を安定的に続けることができるのだ。」
とあるように、最近、老施協総研が行った調査でも
“離職率が低い施設ほど計画的に職員の採用を行っている”
という結果が出ています。
●最近は職員を募集しても経験者やヘルパー二級資格取得者も
集まらない状況で、無資格者も積極的に入れている事業所
も出てきています。
しかし研修もほとんどない中で、
いきなりOJTといって現場に入れるので、
知識や技術面などの職員間格差があまりにも大きく、
現場職員がとまどうことが多いという声もあります。
結局のところ、資格や経験のない状態で現場に入ってきても、
基本的なスキル、考え方などを教え、あとは現場でのOJT
がしっかりしていれば、最初はとまどったとしても
徐々に慣れてくるので問題はないのです。
つまり、基本を叩き込む研修の仕組み・ノウハウ、
育て上げるだけのマンパワー、経験者の層がしっかりと
あれば、介護の質は維持されていくのです。
きちんとした研修もないまま、職員の数合わせとして
現場に入れられるので、結局介護の意義や楽しさを感じる
ことなく辞めていくのです。もったいない話です。
●地域によっては介護の人材が集まらないという状況で、
質の向上という名の下に、介護職員の資格制度や研修制度を
厳しくし、入口を狭めているのにはかなり違和感を感じます。
今後、介護職員基礎研修を導入することによって、
新たに金銭的、時間的な負担が出てくることから
現場を去っていく方も出てきています。
中身のある研修かどうかわからない中で、ただ時間数だけを
一律に決めていく国のやり方には問題があるのではない
でしょうか。机上の理想論だけでは現場はまわりません。
話は戻りますが、職員を育てようとしない事業者は、
サービスの質が低下し、利用者に選択されなくなる時が
やってくるのではないかと思います。
バランスのとれた職員層
しっかりした研修内容・フォローの体制が整っている
ということが今回のポイントです。
---------------------------------------------------
☆今度の介護福祉士法改正では“准介護福祉士”が創設される
予定です。私の勝手な予想ですが、外国人介護士の受け入れが
スムーズに進まなければ、なし崩し的に、外国人受け入れのための都合のいい資格になるのではないかと心配しています。
外国人介護士を積極的に受け入れたい施設側と
少しでも収益につながるような制度改正にしたい養成施設、
介護人材不足をお金をかけずに手っ取り早く解決したい厚生労働省
が結びついた結果が“准介護福祉士”になったのだと思います。
2007年03月07日
「常勤職員の比率〜“人材”それとも“人財”?」
●「正規職員が辞めれば、非正規職員で穴埋めする」
介護保険がスタートしてからというもの、
今までは正規職員が中心であったのが、正規職員を減らし、
非正規の常勤職員・パートを増やすところが増えました。
事業者にとって非正規職員を採用することは、
食事介助や就寝介助など人手がかかる時間帯に職員を
重点的に配置するなど効率的な運営をしたり、
働く側にとっても扶養の範囲で働きたいとか、
年齢的に常勤職員で働くのは限界がある方など労使双方に
とって必要な雇用形態でもあります。
しかし、パート化が行き過ぎると思わぬところに
弊害が出てくるのも事実です。
介護の仕事というのは正規職員、非正規職員で仕事の
内容にそれほど違いがあるわけではありません。
ほとんど同じ仕事をしているのに待遇の差があるので
不満の声が出てくるのです。
●ある有料老人ホームでは、正社員、契約社員、パート
という3層のスタッフ構造で、「正社員になるのは誰かが
辞めて空いたら、誰かを正社員に格上げするようなもので、
仕事の違いはほとんどありません」と言われていました。
職員にこのような人事の仕組みを理解して頑張ってほしい
といってもなかなか納得できるものではありません。
●非正規職員が多く、不満が高まってくると事業者側と
職員の間で、また職員同士の間でも対立構造が出てきます。
ある特養ホームでは、険悪な雰囲気になっていても
施設側は何ら改善する気もないので、非正規職員が
正規職員の仕事の邪魔や嫌がらせをし、
正規職員を辞めさせようとするといったことが
出ているそうです。
その他、正規職員に大変な介護をさせたらいい
と考えているのか、利用者が非正規職員に頼んでも
「ちょっと待って」と部屋から出ていって、
結局、正規職員にその尻拭いをさせるというような
話も聞きます。
これらの話は極端かもしれませんが、正規と非正規職員の
対立は多くの事業所であることでしょう。
●実際に非正規職員が多いところでは、業務面だけでなく
心理的な面でも正規職員の負担が増え、有給休暇や
日頃の休憩も取りづらくなり、ストレスを抱え込む
スタッフもいます。
こういった職場の多くは、
職場の雰囲気も良いものではないのかもしれません。
ただ、非正規の職員が多くても、チームワークが良く
うまくいっているところもありますので一概に多いとダメ
というわけではありません。
できるだけ多くのスタッフを配置して、ケアを充実させる
ためにそのようにしているところもあるからです。
●そのような中で、スタッフの配置は必要最低限、
正規職員1人以外は全員パートというような事業者、
つまり、あからさまに正規職員の数が少なすぎる事業者、
また、正規職員をどんどん減らしていく事業者には
注意してその事業者の本音を見極める必要があります。
経営していく以上は当然利益を出していかざるをえません
が、介護職員を単なる使い捨ての道具かのように扱う
ような儲け主義の事業者を職員の皆さんは選択すべき
ではないでしょう。
結局のところ、どの業界でもそうだと思いますが、
事業所が、職員をすばらしいサービスを生み出す
大切な「人財」として見るのか、それとも単なる
事業運営のための「人材」と見ているのかを判断する
ことが職場選びの最も重要なポイントだと思います。
いくら賃金がよく、研修や福利厚生面での制度が充実
していたとしても、いずれやりがいが感じられなくなる
日がやってくるのではないかと思います。
●ちなみに今年の国会に出されているパート労働法
改正案では、正規職員と同視すべきパート職員について、
差別的取扱いの禁止を求めています。
例えば、正規職員と同じ介護業務、契約更新を繰り返す、
勤務時間は正規職員よりも1時間短い程度、事業所内の
各種勉強会などに参加し事業所に貢献しているなどの職員は、
賃金は正規職員と同じ時間当たり○○○円に、
さらに退職金、賞与も支給し、その他の待遇も全て同じに
しなければならないといった内容です。
パート職員だけがロッカー使用を他人と共用使用したり、
正規職員は職場から飲み会の補助が出て2000円だけ
支払ったらいいのに、パート職員は4000円集めます
というのは差別的な取扱いということになります。
介護保険がスタートしてからというもの、
今までは正規職員が中心であったのが、正規職員を減らし、
非正規の常勤職員・パートを増やすところが増えました。
事業者にとって非正規職員を採用することは、
食事介助や就寝介助など人手がかかる時間帯に職員を
重点的に配置するなど効率的な運営をしたり、
働く側にとっても扶養の範囲で働きたいとか、
年齢的に常勤職員で働くのは限界がある方など労使双方に
とって必要な雇用形態でもあります。
しかし、パート化が行き過ぎると思わぬところに
弊害が出てくるのも事実です。
介護の仕事というのは正規職員、非正規職員で仕事の
内容にそれほど違いがあるわけではありません。
ほとんど同じ仕事をしているのに待遇の差があるので
不満の声が出てくるのです。
●ある有料老人ホームでは、正社員、契約社員、パート
という3層のスタッフ構造で、「正社員になるのは誰かが
辞めて空いたら、誰かを正社員に格上げするようなもので、
仕事の違いはほとんどありません」と言われていました。
職員にこのような人事の仕組みを理解して頑張ってほしい
といってもなかなか納得できるものではありません。
●非正規職員が多く、不満が高まってくると事業者側と
職員の間で、また職員同士の間でも対立構造が出てきます。
ある特養ホームでは、険悪な雰囲気になっていても
施設側は何ら改善する気もないので、非正規職員が
正規職員の仕事の邪魔や嫌がらせをし、
正規職員を辞めさせようとするといったことが
出ているそうです。
その他、正規職員に大変な介護をさせたらいい
と考えているのか、利用者が非正規職員に頼んでも
「ちょっと待って」と部屋から出ていって、
結局、正規職員にその尻拭いをさせるというような
話も聞きます。
これらの話は極端かもしれませんが、正規と非正規職員の
対立は多くの事業所であることでしょう。
●実際に非正規職員が多いところでは、業務面だけでなく
心理的な面でも正規職員の負担が増え、有給休暇や
日頃の休憩も取りづらくなり、ストレスを抱え込む
スタッフもいます。
こういった職場の多くは、
職場の雰囲気も良いものではないのかもしれません。
ただ、非正規の職員が多くても、チームワークが良く
うまくいっているところもありますので一概に多いとダメ
というわけではありません。
できるだけ多くのスタッフを配置して、ケアを充実させる
ためにそのようにしているところもあるからです。
●そのような中で、スタッフの配置は必要最低限、
正規職員1人以外は全員パートというような事業者、
つまり、あからさまに正規職員の数が少なすぎる事業者、
また、正規職員をどんどん減らしていく事業者には
注意してその事業者の本音を見極める必要があります。
経営していく以上は当然利益を出していかざるをえません
が、介護職員を単なる使い捨ての道具かのように扱う
ような儲け主義の事業者を職員の皆さんは選択すべき
ではないでしょう。
結局のところ、どの業界でもそうだと思いますが、
事業所が、職員をすばらしいサービスを生み出す
大切な「人財」として見るのか、それとも単なる
事業運営のための「人材」と見ているのかを判断する
ことが職場選びの最も重要なポイントだと思います。
いくら賃金がよく、研修や福利厚生面での制度が充実
していたとしても、いずれやりがいが感じられなくなる
日がやってくるのではないかと思います。
●ちなみに今年の国会に出されているパート労働法
改正案では、正規職員と同視すべきパート職員について、
差別的取扱いの禁止を求めています。
例えば、正規職員と同じ介護業務、契約更新を繰り返す、
勤務時間は正規職員よりも1時間短い程度、事業所内の
各種勉強会などに参加し事業所に貢献しているなどの職員は、
賃金は正規職員と同じ時間当たり○○○円に、
さらに退職金、賞与も支給し、その他の待遇も全て同じに
しなければならないといった内容です。
パート職員だけがロッカー使用を他人と共用使用したり、
正規職員は職場から飲み会の補助が出て2000円だけ
支払ったらいいのに、パート職員は4000円集めます
というのは差別的な取扱いということになります。
2007年02月17日
「人員配置〜仕事量のイメージ」
●事業者が“どれだけケアに力を入れているのか”を知る
には、その施設の人員配置と平均要介護度を見れば、
だいたいわかります。
人員配置とは、簡単に言えば利用者数に対してどれだけの
職員がいるのかといったことで、直接職員の仕事量に
跳ね返ってきます。
国は利用者の数と現場職員の比率は3対1以上にしなけ
ればならない(人員配置基準)と定めていますが、
これはあくまで最低基準であって、この比率で重度化
した施設やユニットケアに取り組むことはできません。
お金(財源)に結びつく人員配置基準はいじらない
(上げない)という約束で財務省は厚生労働省が
ユニットケアを推進することを認めた経緯があるので、
厚労省はユニットケアを礼賛するだけで、財源に
結びつく人員配置基準は上げないのです。
最近では箱(建物)だけ立派な、質の悪いユニットケア
型ホームが増えたおかげで厚労省もユニットケアがどうの
とはあまり言わなくなりましたが・・・。
●2対1とか3対1とか言ってもわかりにくいですよね。
具体的にイメージしやすいようにご説明します。
たとえば、60人定員の2階建て(2フロア)の施設が
2棟並んで建っていました。違うのは人員配置だけで、
3対1と2対1です。
これらの数字を職員数にしてみると、
3対1のところは20人
2対1のところは30人
つまり10人の差があるのです。
フロア当たりだと10人と15人で5人の差です。
私も実際にユニットケアの現場で働いてみて
よくわかったのですが、同じフロアに1人多くいるのと
いないのとでは仕事の負担感は違います。
ましてや5人の差であれば雲泥の差です。
●また、2対1とか3対1とかいう数字は
常時1人の職員で2人や3人の利用者を対応しますよ
というものではありません。
この数値は実際に日勤で働く時には休みや夜勤の人を
除かなければなりませんし、夜勤時には1人で何十人と
いった方を対応せねばなりません。
ですから仕事の負担感を考えた場合、
人員配置がいくらなのかということを把握することは
非常に重要なのです。
ユニットケアという言葉に騙されて、ある事業所に
入職してみたものの人員配置が少ないので業務量が多く、
“利用者とゆっくり話すこともできない”
“体力的にも限界”など、絶えずストレスを抱え、
結局は燃え尽きて辞めていく方も少なくありません。
●2006年10月18日の読売新聞には施設関係者の話で
「必要なケア量は、利用者の平均要介護度で示すことが
できる」との考えが紹介されていますが、私も同感です。
厚生労働省は各種の調査から
“これくらいの要介護度であればこれだけのスタッフがいる”
ということなど調べればすぐに出てくると思うのですが、
自分たちに不都合な情報はそもそも出す気はないようです。
また前述の施設関係者は
「3対1だと平均要介護度が3以下でないと釣り合わない」
とも述べています。
これに対し、
「平均要介護度4,5の介護施設で身体拘束することなしに
3対1の人員配置で介護することは充分可能」
というのが厚生労働省の考え方ですから現場の認識と
ずいぶんかけ離れています。
ちなみに私の個人的な試算ですが、ユニットケア型施設で
ある程度十分な個別ケアを実施していこうとする場合、
1.1〜1.2対1くらいの人員配置が必要です。
公表情報からも1.5対1以下のところもあれば、
3対1のところもあり、上と下では2倍以上もの格差が
存在しています。
●こうした人員配置に関する情報というのは、
利用者にとっても同様に重要です。
なぜなら人員配置の差というのは食事、排泄など様々な
面で現れます。たとえばコールボタンで職員を呼んだと
しても、職員が少なければ自分のところに来てくれるまで
に長く待たなければならないかもしれません。
職員と一緒に散歩に出るのも短くなったり、回数が減る
かもしれません。職員に余裕がなければ結局は利用者の
方に跳ね返ってくるのです。
●スタッフ一人当り利用者が何人いるのかという人員配置
についての情報は、「介護サービス情報の公表制度」の中
で公開されています。ただ、看護職員も含めた数値を公表
しているので、少し割り引いて考える必要があります。
というのは、看護のスタッフによっては介護の仕事も一緒
にやろうとする人もいますが、スタッフによっては
「これは介護の仕事」と割り切って全くしない人もいる
からです。
ですから人員配置という意味では、介護職員の数だけで
出した数字が正確な状況を表しているように思えます。
●この人員配置というのは、その事業者がどれだけケアに
力を入れているかを知る上で重要なポイントの1つであります。
●特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準
(職員の配置の基準)
四 介護職員又は看護師若しくは准看護師(以下「看護職員」
という。)
イ 介護職員及び看護職員の総数は、常勤換算方法で、
入所者の数が三又はその端数を増すごとに一以上とすること。
●指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する
基準
(従業者の員数)
指定特定施設入居者生活介護の提供に当たる従業者
イ 看護職員及び介護職員の合計数は、常勤換算方法で、
要介護者である利用者の数が三又はその端数を増すごとに
一以上であること。
●職員一人あたりの入所者(利用者)数
看護職員 介護職員 看護介護職員合計
特養ホーム 19.0 2.5 2.2
老健施設 7.9 3.0 2.1
「介護保険施設における身体拘束廃止の啓発・推進事業
報告書」(H18.3)
には、その施設の人員配置と平均要介護度を見れば、
だいたいわかります。
人員配置とは、簡単に言えば利用者数に対してどれだけの
職員がいるのかといったことで、直接職員の仕事量に
跳ね返ってきます。
国は利用者の数と現場職員の比率は3対1以上にしなけ
ればならない(人員配置基準)と定めていますが、
これはあくまで最低基準であって、この比率で重度化
した施設やユニットケアに取り組むことはできません。
お金(財源)に結びつく人員配置基準はいじらない
(上げない)という約束で財務省は厚生労働省が
ユニットケアを推進することを認めた経緯があるので、
厚労省はユニットケアを礼賛するだけで、財源に
結びつく人員配置基準は上げないのです。
最近では箱(建物)だけ立派な、質の悪いユニットケア
型ホームが増えたおかげで厚労省もユニットケアがどうの
とはあまり言わなくなりましたが・・・。
●2対1とか3対1とか言ってもわかりにくいですよね。
具体的にイメージしやすいようにご説明します。
たとえば、60人定員の2階建て(2フロア)の施設が
2棟並んで建っていました。違うのは人員配置だけで、
3対1と2対1です。
これらの数字を職員数にしてみると、
3対1のところは20人
2対1のところは30人
つまり10人の差があるのです。
フロア当たりだと10人と15人で5人の差です。
私も実際にユニットケアの現場で働いてみて
よくわかったのですが、同じフロアに1人多くいるのと
いないのとでは仕事の負担感は違います。
ましてや5人の差であれば雲泥の差です。
●また、2対1とか3対1とかいう数字は
常時1人の職員で2人や3人の利用者を対応しますよ
というものではありません。
この数値は実際に日勤で働く時には休みや夜勤の人を
除かなければなりませんし、夜勤時には1人で何十人と
いった方を対応せねばなりません。
ですから仕事の負担感を考えた場合、
人員配置がいくらなのかということを把握することは
非常に重要なのです。
ユニットケアという言葉に騙されて、ある事業所に
入職してみたものの人員配置が少ないので業務量が多く、
“利用者とゆっくり話すこともできない”
“体力的にも限界”など、絶えずストレスを抱え、
結局は燃え尽きて辞めていく方も少なくありません。
●2006年10月18日の読売新聞には施設関係者の話で
「必要なケア量は、利用者の平均要介護度で示すことが
できる」との考えが紹介されていますが、私も同感です。
厚生労働省は各種の調査から
“これくらいの要介護度であればこれだけのスタッフがいる”
ということなど調べればすぐに出てくると思うのですが、
自分たちに不都合な情報はそもそも出す気はないようです。
また前述の施設関係者は
「3対1だと平均要介護度が3以下でないと釣り合わない」
とも述べています。
これに対し、
「平均要介護度4,5の介護施設で身体拘束することなしに
3対1の人員配置で介護することは充分可能」
というのが厚生労働省の考え方ですから現場の認識と
ずいぶんかけ離れています。
ちなみに私の個人的な試算ですが、ユニットケア型施設で
ある程度十分な個別ケアを実施していこうとする場合、
1.1〜1.2対1くらいの人員配置が必要です。
公表情報からも1.5対1以下のところもあれば、
3対1のところもあり、上と下では2倍以上もの格差が
存在しています。
●こうした人員配置に関する情報というのは、
利用者にとっても同様に重要です。
なぜなら人員配置の差というのは食事、排泄など様々な
面で現れます。たとえばコールボタンで職員を呼んだと
しても、職員が少なければ自分のところに来てくれるまで
に長く待たなければならないかもしれません。
職員と一緒に散歩に出るのも短くなったり、回数が減る
かもしれません。職員に余裕がなければ結局は利用者の
方に跳ね返ってくるのです。
●スタッフ一人当り利用者が何人いるのかという人員配置
についての情報は、「介護サービス情報の公表制度」の中
で公開されています。ただ、看護職員も含めた数値を公表
しているので、少し割り引いて考える必要があります。
というのは、看護のスタッフによっては介護の仕事も一緒
にやろうとする人もいますが、スタッフによっては
「これは介護の仕事」と割り切って全くしない人もいる
からです。
ですから人員配置という意味では、介護職員の数だけで
出した数字が正確な状況を表しているように思えます。
●この人員配置というのは、その事業者がどれだけケアに
力を入れているかを知る上で重要なポイントの1つであります。
●特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準
(職員の配置の基準)
四 介護職員又は看護師若しくは准看護師(以下「看護職員」
という。)
イ 介護職員及び看護職員の総数は、常勤換算方法で、
入所者の数が三又はその端数を増すごとに一以上とすること。
●指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する
基準
(従業者の員数)
指定特定施設入居者生活介護の提供に当たる従業者
イ 看護職員及び介護職員の合計数は、常勤換算方法で、
要介護者である利用者の数が三又はその端数を増すごとに
一以上であること。
●職員一人あたりの入所者(利用者)数
看護職員 介護職員 看護介護職員合計
特養ホーム 19.0 2.5 2.2
老健施設 7.9 3.0 2.1
「介護保険施設における身体拘束廃止の啓発・推進事業
報告書」(H18.3)
2007年01月30日
「利用者の状況からケアをイメージする」
●これから働く職場がどういう状況なのか、
どういうケアを提供しているのか、理解しておくことは
非常に重要です。
働く前に実習などで入っていればよくわかるのですが、
でなければ、介護施設でどういうケアが提供されているのか
をイメージする上で利用者の要介護度の分布を
調べておくことも欠かせません。
●一般的に特養ホームや老健施設は重度な方、GHや
特定施設(有料老人ホーム)は軽度な方が中心ではあります。
しかし、どの施設も年々お年寄りのレベルが落ちて重度化
しています。
また今後療養病床を再編して老健施設や有料老人ホームにして
いく方向ですが、重度なお年寄りを外に出していくわけですから、
介護施設全体がますます重度化していくものと考えられます。
これから働こうとする職場が
要介護一や二の比較的軽度な方々が中心なのか、
それとも要介護四や五の重度な方々が中心であるのか
で全く状況は違います。
こういうことを理解せずに、研修に入った時点で
実は「こんな重度な方が多いところでは働きたくない」
と辞めていかれる方が中にはいらっしゃいます。
こういった方は理想的なケアをしている事業所のことが
書かれた本などを読んだり、「介護とはこんなもの」と
勝手に解釈しておられるのかもしれません。
利用者にはこんな(理想的な)介護を(したい)するもの
とイメージして、介護の仕事に来られるのですが、
実際は事業所の方針などによって全く異なります。
●開設したばかりで軽度の方中心のグループホームと
ターミナルケアを多く実施している特養ホームでは
同じ介護の仕事でも大きく違います。
私自身、軽度な認知症の方が集まるユニットと、
重度な方が集まるユニットの両方を経験させていただき
ましたが、死に直面した利用者がいるかいないかでは
全く違います。
ターミナルに近づいたお年よりが集まるところでは、
その日その時間その瞬間が勝負です。
尿量はどうなのか、便は出ているか、
水分摂取はどれだけできたかなど、
絶えず看護職員と連携しながら勤務しているので、
どちらかといえば病院やホスピスに近い職場環境である
と思います。
反対に軽度な認知症の方が中心のところではスタッフも一緒に
生活をしにいくという感じで、時間の流れがゆったりとしていて
「家」に近い印象を受けるかもしれません。
もちろん認知症のお年寄りですので、
混乱された場合などは場の雰囲気は変わります。
私個人としてはターミナルの方に対応する方が
緊張感やストレスの受け方が大きく、一回の勤務が終われば
ヘトヘトでした。
しかし職員によっては軽度な認知症の方を対応する方が
臨機応変に対応したり、日々何をしていいのかわからない
といって困っておられる方もいます。
要するに同じ職員でも向き不向きがあるので、
こういうことを念頭にその職場に入った場合、自分がどういう
ケアを提供しているのかイメージしてみるのもよいか
と思います。
●「介護サービス情報の公表」制度では、公表情報の中に
入所者の要介護度の分布がありますので、その事業所が
どういった方々が中心なのかがわかります。
また亡くなられた方の人数もありますので、
そこはどれだけターミナルケアを実施しているのか、
危なくなったら病院にお願いしているのかなどを頭に入れて
おくのも、その職場環境を知る上で役立ちます。
●サービス別の平均要介護度(厚生労働省資料、H18.11現在)
介護療養型医療施設 4.30
老人保健施設 3.19
特別養護老人ホーム 3.73
グループホーム 2.39
特定施設(有料老人ホーム) 2.32
どういうケアを提供しているのか、理解しておくことは
非常に重要です。
働く前に実習などで入っていればよくわかるのですが、
でなければ、介護施設でどういうケアが提供されているのか
をイメージする上で利用者の要介護度の分布を
調べておくことも欠かせません。
●一般的に特養ホームや老健施設は重度な方、GHや
特定施設(有料老人ホーム)は軽度な方が中心ではあります。
しかし、どの施設も年々お年寄りのレベルが落ちて重度化
しています。
また今後療養病床を再編して老健施設や有料老人ホームにして
いく方向ですが、重度なお年寄りを外に出していくわけですから、
介護施設全体がますます重度化していくものと考えられます。
これから働こうとする職場が
要介護一や二の比較的軽度な方々が中心なのか、
それとも要介護四や五の重度な方々が中心であるのか
で全く状況は違います。
こういうことを理解せずに、研修に入った時点で
実は「こんな重度な方が多いところでは働きたくない」
と辞めていかれる方が中にはいらっしゃいます。
こういった方は理想的なケアをしている事業所のことが
書かれた本などを読んだり、「介護とはこんなもの」と
勝手に解釈しておられるのかもしれません。
利用者にはこんな(理想的な)介護を(したい)するもの
とイメージして、介護の仕事に来られるのですが、
実際は事業所の方針などによって全く異なります。
●開設したばかりで軽度の方中心のグループホームと
ターミナルケアを多く実施している特養ホームでは
同じ介護の仕事でも大きく違います。
私自身、軽度な認知症の方が集まるユニットと、
重度な方が集まるユニットの両方を経験させていただき
ましたが、死に直面した利用者がいるかいないかでは
全く違います。
ターミナルに近づいたお年よりが集まるところでは、
その日その時間その瞬間が勝負です。
尿量はどうなのか、便は出ているか、
水分摂取はどれだけできたかなど、
絶えず看護職員と連携しながら勤務しているので、
どちらかといえば病院やホスピスに近い職場環境である
と思います。
反対に軽度な認知症の方が中心のところではスタッフも一緒に
生活をしにいくという感じで、時間の流れがゆったりとしていて
「家」に近い印象を受けるかもしれません。
もちろん認知症のお年寄りですので、
混乱された場合などは場の雰囲気は変わります。
私個人としてはターミナルの方に対応する方が
緊張感やストレスの受け方が大きく、一回の勤務が終われば
ヘトヘトでした。
しかし職員によっては軽度な認知症の方を対応する方が
臨機応変に対応したり、日々何をしていいのかわからない
といって困っておられる方もいます。
要するに同じ職員でも向き不向きがあるので、
こういうことを念頭にその職場に入った場合、自分がどういう
ケアを提供しているのかイメージしてみるのもよいか
と思います。
●「介護サービス情報の公表」制度では、公表情報の中に
入所者の要介護度の分布がありますので、その事業所が
どういった方々が中心なのかがわかります。
また亡くなられた方の人数もありますので、
そこはどれだけターミナルケアを実施しているのか、
危なくなったら病院にお願いしているのかなどを頭に入れて
おくのも、その職場環境を知る上で役立ちます。
●サービス別の平均要介護度(厚生労働省資料、H18.11現在)
介護療養型医療施設 4.30
老人保健施設 3.19
特別養護老人ホーム 3.73
グループホーム 2.39
特定施設(有料老人ホーム) 2.32
2007年01月15日
離職率〜職場の魅力を現す
●離職率はある意味でその職場の魅力を現しています。
職場の魅力が高ければ、ずっとここで働きたい
と職員は考えるわけですから必然と離職率は低くなります。
ただ離職者の中には、結婚や出産、ご主人の転勤などで
退職される方もいるかもしれませんが、
全体としてどれだけ辞めているのか?
その事業所の介護職員全体の何割が離職しているのか?
を把握することは重要です。
全産業の離職率は16%ですが、
介護職員全体の離職率は約22%であり、
グループホームは32%、特定施設(有料老人ホーム)は38%
と高くなっています。
だいたい2〜3割が平均的なのですが、5割以上ともなれば
何らかの問題がその事業所に潜んでいる可能性があります。
皆さんも実際に面接などの機会があれば、
率直になぜ離職率が高いのか聞いてみるのも
いいかもしれません。
●「高級老人ホーム」とか
「質の高い介護を提供しています」などの
キャッチフレーズで入居者を募集している介護施設
があります。
しかし、そういった施設で職員が頻繁に辞めているならば、
本当に高級なのでしょうか、
本当に質の高い介護を提供していると言えるのでしょうか。
豪華な居室と食事だけいいものを出していれば
“高級”と言える感覚が不思議で仕方がありません。
高級ではないとしても普通の介護施設の利用者でも
個人的な好みや身体面などを把握しておいてほしい職員が
コロコロ変わるようなところは、いくら食事や居室が
よくても不安を感じざるを得ません。
また同じ職場で働く職員にとっても、
職員が辞めることでその勤務の穴埋めや新たに入ってくる
職員に対する教育など多くの負担が生じます。
少ない変動であれば、職場にとって新鮮な空気を吹き込むなど
プラス面もあるのですが、たびたび職員が辞めては入ってくる
という環境であれば、現場の職員も疲弊してしまいます。
●また施設長などの現場責任者によっては、
「非常勤職員なんだからすぐに辞めても仕方がない」
といった開き直りや、半ばあきらめていたりする方が
おられます。
利用者へのサービスということを考えた場合、
常勤職員の1時間の介護サービスも
非常勤職員の1時間の介護サービスも利用者にとっては
同じです。
ですから
「非常勤職員がたくさん辞めたとしてもそれは関係ないよ」
ということにはなりません。
●今は情報の公表制度で
過去1年間の離職者数(非常勤・常勤別)が公開されています。
東京都のホームページ(東京都福祉振興財団)で確認したところ、
1年間で介護職員の7〜8割が離職している介護施設が
ざらにあります。
例)介護職員に占める離職者の割合(1年間)
Aホーム(大田区・特定施設)78%
Bホーム(足立区・特定施設)83%
Cホーム(葛飾区・特定施設)13%
Dホーム(江戸川区・特養) 7%
職員10人中、1年で7人〜8人が辞める事業所、
1人〜2人しか入れ替わらない事業所があった場合、
皆さんならどちらで働きたいと思いますか。
どちらに介護をお願いしたいと考えますか。
職場の魅力が高ければ、ずっとここで働きたい
と職員は考えるわけですから必然と離職率は低くなります。
ただ離職者の中には、結婚や出産、ご主人の転勤などで
退職される方もいるかもしれませんが、
全体としてどれだけ辞めているのか?
その事業所の介護職員全体の何割が離職しているのか?
を把握することは重要です。
全産業の離職率は16%ですが、
介護職員全体の離職率は約22%であり、
グループホームは32%、特定施設(有料老人ホーム)は38%
と高くなっています。
だいたい2〜3割が平均的なのですが、5割以上ともなれば
何らかの問題がその事業所に潜んでいる可能性があります。
皆さんも実際に面接などの機会があれば、
率直になぜ離職率が高いのか聞いてみるのも
いいかもしれません。
●「高級老人ホーム」とか
「質の高い介護を提供しています」などの
キャッチフレーズで入居者を募集している介護施設
があります。
しかし、そういった施設で職員が頻繁に辞めているならば、
本当に高級なのでしょうか、
本当に質の高い介護を提供していると言えるのでしょうか。
豪華な居室と食事だけいいものを出していれば
“高級”と言える感覚が不思議で仕方がありません。
高級ではないとしても普通の介護施設の利用者でも
個人的な好みや身体面などを把握しておいてほしい職員が
コロコロ変わるようなところは、いくら食事や居室が
よくても不安を感じざるを得ません。
また同じ職場で働く職員にとっても、
職員が辞めることでその勤務の穴埋めや新たに入ってくる
職員に対する教育など多くの負担が生じます。
少ない変動であれば、職場にとって新鮮な空気を吹き込むなど
プラス面もあるのですが、たびたび職員が辞めては入ってくる
という環境であれば、現場の職員も疲弊してしまいます。
●また施設長などの現場責任者によっては、
「非常勤職員なんだからすぐに辞めても仕方がない」
といった開き直りや、半ばあきらめていたりする方が
おられます。
利用者へのサービスということを考えた場合、
常勤職員の1時間の介護サービスも
非常勤職員の1時間の介護サービスも利用者にとっては
同じです。
ですから
「非常勤職員がたくさん辞めたとしてもそれは関係ないよ」
ということにはなりません。
●今は情報の公表制度で
過去1年間の離職者数(非常勤・常勤別)が公開されています。
東京都のホームページ(東京都福祉振興財団)で確認したところ、
1年間で介護職員の7〜8割が離職している介護施設が
ざらにあります。
例)介護職員に占める離職者の割合(1年間)
Aホーム(大田区・特定施設)78%
Bホーム(足立区・特定施設)83%
Cホーム(葛飾区・特定施設)13%
Dホーム(江戸川区・特養) 7%
職員10人中、1年で7人〜8人が辞める事業所、
1人〜2人しか入れ替わらない事業所があった場合、
皆さんならどちらで働きたいと思いますか。
どちらに介護をお願いしたいと考えますか。
2007年01月08日
介護職員として働くために
●介護の職場を探すには、クチコミであったり、実際働いて
いる人の話を聞いたり、またボランティアや実習に行ってでも
しない限り、その職場の実情はなかなかわかりません。
サッカー選手にたとえるならば、グランドが芝生なのか、
砂利だらけの怪我をしやすい環境なのかわからない状況です。
また自分よりレベルが上の選手が多いチームなのか、
下の選手が多いチームなのかもわからないのです。
多くの職員にとっては、これまでは求人情報や面接での雰囲気
などから自分なりに「何だかいいんじゃないか」というような
感覚でしか職場を選ばざるをえなかったのです。
もちろん、求人情報や面接での雰囲気、職場の雰囲気を感覚
でつかむということはこれからも重要ですが、公開された職場
のデータを有効に活用して、ワンランク上の職場選びを実践して
いただければと思います。
1、「介護サービス情報の公表」制度を活用する
●介護保険法の改正で2006年4月から事業者は介護サービス
情報の公表が義務付けられました。初年度は療養病床などは
対象に入っておりませんが、今後全てのサービスがその対象に
入ってくる予定で、都道府県ごとにホームページで公開されて
います。
ちなみに東京都はこういう形で公開されています。
http://www.fukunavi.or.jp/fukunavi/kohyo/
さて介護サービス情報といっても、一事業所ごとにたくさんの
情報が公開されており、大きく基本情報と調査情報に分かれて
います。
基本情報は事業所が記入し、調査情報は調査員が確認したもの
を公表する仕組みになっています。
基本情報の中には過去一年間の離職率や職員の業務経験年数、
常勤職員の数、介護福祉士などの資格保有者の数、人員配置
など、これまではその職場で働いていてもなかなかわからなか
ったような情報までもが公表されています。
公表されている多くの情報の中でもポイントを絞って見ていく
ことで、これから求職や転職しようとする職場がある程度
イメージすることができます。
●ただ、これらの情報を使うにあたって注意して欲しいこと
があります。
基本情報は事業所が記入すると前述しましたが、
現在は(2006年11月末)事業所が記入したものをそのまま
何のチェックもせずに載せているといってもいいような状態
ですので、明らかに間違っているもの、全く記入がないもの等
が散見されます。
たとえば業務経験年数の記入がなかったり、
常勤職員と非常勤職員を合わせた数よりも常勤換算の数の方が
多かったり
(非常勤職員の勤務時間はだいたい常勤職員よりも少ないので、
必然と常勤換算では合計人数よりも少なくなります。
※1週間40時間常勤職員が働くとすれば、20時間勤務の非常勤
職員が2人いれば1人の常勤としてカウントする。)
するなどです。
多くの事業所は正確な情報を公表しているのですが、
間違った情報をそのまま載せていたりや、中には自分のところ
に不都合な情報は公表しなかったりする事業所もあるのです。
事業者によっては離職者の欄だけ、どこの施設でも空白に
している悪質なところもありました。
国が定めた今のルールでは、基本情報が間違っていたとしても、
利用者等が気づいたら直接事業所に言って訂正させるなりして
くださいといったものでしかありません。
都道府県の公表センターは公表のための事務手数料をとって
いながら、チェックして「これ間違っていませんか」とか
「ここ空白ですよ」すら言えないのが実状です。
●これからは公表された事業所の情報(基本情報)の中から
ポイントを絞って見ていきたいと思います。
いる人の話を聞いたり、またボランティアや実習に行ってでも
しない限り、その職場の実情はなかなかわかりません。
サッカー選手にたとえるならば、グランドが芝生なのか、
砂利だらけの怪我をしやすい環境なのかわからない状況です。
また自分よりレベルが上の選手が多いチームなのか、
下の選手が多いチームなのかもわからないのです。
多くの職員にとっては、これまでは求人情報や面接での雰囲気
などから自分なりに「何だかいいんじゃないか」というような
感覚でしか職場を選ばざるをえなかったのです。
もちろん、求人情報や面接での雰囲気、職場の雰囲気を感覚
でつかむということはこれからも重要ですが、公開された職場
のデータを有効に活用して、ワンランク上の職場選びを実践して
いただければと思います。
1、「介護サービス情報の公表」制度を活用する
●介護保険法の改正で2006年4月から事業者は介護サービス
情報の公表が義務付けられました。初年度は療養病床などは
対象に入っておりませんが、今後全てのサービスがその対象に
入ってくる予定で、都道府県ごとにホームページで公開されて
います。
ちなみに東京都はこういう形で公開されています。
http://www.fukunavi.or.jp/fukunavi/kohyo/
さて介護サービス情報といっても、一事業所ごとにたくさんの
情報が公開されており、大きく基本情報と調査情報に分かれて
います。
基本情報は事業所が記入し、調査情報は調査員が確認したもの
を公表する仕組みになっています。
基本情報の中には過去一年間の離職率や職員の業務経験年数、
常勤職員の数、介護福祉士などの資格保有者の数、人員配置
など、これまではその職場で働いていてもなかなかわからなか
ったような情報までもが公表されています。
公表されている多くの情報の中でもポイントを絞って見ていく
ことで、これから求職や転職しようとする職場がある程度
イメージすることができます。
●ただ、これらの情報を使うにあたって注意して欲しいこと
があります。
基本情報は事業所が記入すると前述しましたが、
現在は(2006年11月末)事業所が記入したものをそのまま
何のチェックもせずに載せているといってもいいような状態
ですので、明らかに間違っているもの、全く記入がないもの等
が散見されます。
たとえば業務経験年数の記入がなかったり、
常勤職員と非常勤職員を合わせた数よりも常勤換算の数の方が
多かったり
(非常勤職員の勤務時間はだいたい常勤職員よりも少ないので、
必然と常勤換算では合計人数よりも少なくなります。
※1週間40時間常勤職員が働くとすれば、20時間勤務の非常勤
職員が2人いれば1人の常勤としてカウントする。)
するなどです。
多くの事業所は正確な情報を公表しているのですが、
間違った情報をそのまま載せていたりや、中には自分のところ
に不都合な情報は公表しなかったりする事業所もあるのです。
事業者によっては離職者の欄だけ、どこの施設でも空白に
している悪質なところもありました。
国が定めた今のルールでは、基本情報が間違っていたとしても、
利用者等が気づいたら直接事業所に言って訂正させるなりして
くださいといったものでしかありません。
都道府県の公表センターは公表のための事務手数料をとって
いながら、チェックして「これ間違っていませんか」とか
「ここ空白ですよ」すら言えないのが実状です。
●これからは公表された事業所の情報(基本情報)の中から
ポイントを絞って見ていきたいと思います。
メルマガ第1号
●ある求人サイトには某民間企業の求人が載っていました。
「ホスピタリティの追求、顧客満足・・福祉サービス
のリーディングカンパニーを目指す・・」などと威勢の
いい言葉が並んでいます。
しかし、何かの機会でこの会社が運営する有料老人ホーム
を訪ねた際に、そこの幹部は「職員の離職率が高いなんて
当たり前」さらに「職員の満足度?そんなものは行政が
指示してきたら考えますよ」と言われました。
こういうところは本当に福祉サービスのリーディング
カンパニーを目指しているのでしょうか?
●また別の特養ホームの責任者の方は「職員の満足
なんて言ってる場合じゃないですよ」と
「給料の高い職員を残しておくより辞めてもらって、
入ってきて一年目くらいの職員は給料も安いし、
なんでもハイハイってきくんだから」とも言われました。
●求人広告を出しても電話の1本もかかってこない
深刻な人材不足で、事業者側も来る者拒まずという
ような状況です。
ですから中には福祉の仕事に全く熱意がない、
やる気のない職員が入ってきて、現場のチームワーク
を乱し、利用者に対してもサービスとは程遠い介護しか
提供できていない職員がいることも確かでしょう。
このような状況なので前記のようなホンネを話された
のかもしれませんが、働く者にとっては納得できるもの
ではないと思います。
●事業所によっては対外的にはきれいごとばかりを並べて
職員を採用し、悪い労働条件、低賃金で働かせ、利用者
にも「看てやっている」と最低基準のサービスしか提供
しないところが実際にあるからです。
事業者側に問題があるのであれば、採用してもすぐに
辞めていくのは当たり前です。
また後者の特養ホームにしても、長年、自分たちの組織
を支えてきた職員に対して、なぜここまでひどい考え方
をしなければいけないのでしょうか。
職員を使い捨てにしようとする事業者がいいサービスを
提供できているとは考えられません。
「質が良くても悪くても同じ介護報酬しか入ってこない」
という考えなのかもしれませんが、プロの事業者としては失格です。
専門職だからどんどん転職したらいいという考える方も
おられると思いますが、これから介護の職場で働こうとする方
や転職しようとする方にはできることなら、悪質な職場では
働いてほしくありません。
●同じ介護の仕事を一から始めるのでも良い施設・事業所、
良い指導者・経営者の下で働けるのかどうかで、ある意味
職員の今後を左右するといっても過言ではありません。
質の悪い職場では時間の無駄だけでなく、安易に身体拘束
したり、認知症のお年寄りをますます混乱させるような
間違った介護方法や考え方、間違った方法で介護に当たる
ため腰痛になったりなど、介護職員としても悪しき習慣が
身についてしまうかもしれません。その結果、心身ともに
疲れ果て体を壊してしまうかもしれません。
いずれにせよ最初から悪質な事業所を見分けて、入らない
にこしたことはないのです。
●全国の多くの介護現場では、求人情報と実際のギャップ、
思い描いていた介護の仕事と実際のギャップ、労働環境の
ひどさなどにより日々職員が去っていきます。
皆さんも介護職員の離職率は高いことはご存知だと思いますが、
離職者の約半分は一年以内に辞めています。このことは
職場に対して最初に抱いていたイメージと現実がいかに
違ったかということの現われではないかと思います。
●介護の現場と関わるようになって約10年。
つくづく思うのが、介護サービスの中身はぱっと見た
だけではなかなかわからないということ。
果物のレモンは見ただけでは新鮮なのか、腐っているのか
わからないように、経済学の世界ではこのような状態を
レモンというそうです。
介護サービスもまさにそれに当たります。
そのサービスがいいのか、悪いのか利用者や家族に
とってもわからないように、介護職員にとっても、
その職場がいい職場なのかどうか、入ってみるまでは
なかなかわからないのです。
このメルマガでは、これから介護の現場で働こうとする方、
これから他の介護施設などに転職しようと考えている方、
あるいは現場で疑問や矛盾を感じつつも一生懸命働いている
方などを対象に考えています。
わかりにくい介護の現場を少しでもわかりやすくイメージ
できるように、仕組みの説明や現場の実情などをお伝え
したいと考えています。
「ホスピタリティの追求、顧客満足・・福祉サービス
のリーディングカンパニーを目指す・・」などと威勢の
いい言葉が並んでいます。
しかし、何かの機会でこの会社が運営する有料老人ホーム
を訪ねた際に、そこの幹部は「職員の離職率が高いなんて
当たり前」さらに「職員の満足度?そんなものは行政が
指示してきたら考えますよ」と言われました。
こういうところは本当に福祉サービスのリーディング
カンパニーを目指しているのでしょうか?
●また別の特養ホームの責任者の方は「職員の満足
なんて言ってる場合じゃないですよ」と
「給料の高い職員を残しておくより辞めてもらって、
入ってきて一年目くらいの職員は給料も安いし、
なんでもハイハイってきくんだから」とも言われました。
●求人広告を出しても電話の1本もかかってこない
深刻な人材不足で、事業者側も来る者拒まずという
ような状況です。
ですから中には福祉の仕事に全く熱意がない、
やる気のない職員が入ってきて、現場のチームワーク
を乱し、利用者に対してもサービスとは程遠い介護しか
提供できていない職員がいることも確かでしょう。
このような状況なので前記のようなホンネを話された
のかもしれませんが、働く者にとっては納得できるもの
ではないと思います。
●事業所によっては対外的にはきれいごとばかりを並べて
職員を採用し、悪い労働条件、低賃金で働かせ、利用者
にも「看てやっている」と最低基準のサービスしか提供
しないところが実際にあるからです。
事業者側に問題があるのであれば、採用してもすぐに
辞めていくのは当たり前です。
また後者の特養ホームにしても、長年、自分たちの組織
を支えてきた職員に対して、なぜここまでひどい考え方
をしなければいけないのでしょうか。
職員を使い捨てにしようとする事業者がいいサービスを
提供できているとは考えられません。
「質が良くても悪くても同じ介護報酬しか入ってこない」
という考えなのかもしれませんが、プロの事業者としては失格です。
専門職だからどんどん転職したらいいという考える方も
おられると思いますが、これから介護の職場で働こうとする方
や転職しようとする方にはできることなら、悪質な職場では
働いてほしくありません。
●同じ介護の仕事を一から始めるのでも良い施設・事業所、
良い指導者・経営者の下で働けるのかどうかで、ある意味
職員の今後を左右するといっても過言ではありません。
質の悪い職場では時間の無駄だけでなく、安易に身体拘束
したり、認知症のお年寄りをますます混乱させるような
間違った介護方法や考え方、間違った方法で介護に当たる
ため腰痛になったりなど、介護職員としても悪しき習慣が
身についてしまうかもしれません。その結果、心身ともに
疲れ果て体を壊してしまうかもしれません。
いずれにせよ最初から悪質な事業所を見分けて、入らない
にこしたことはないのです。
●全国の多くの介護現場では、求人情報と実際のギャップ、
思い描いていた介護の仕事と実際のギャップ、労働環境の
ひどさなどにより日々職員が去っていきます。
皆さんも介護職員の離職率は高いことはご存知だと思いますが、
離職者の約半分は一年以内に辞めています。このことは
職場に対して最初に抱いていたイメージと現実がいかに
違ったかということの現われではないかと思います。
●介護の現場と関わるようになって約10年。
つくづく思うのが、介護サービスの中身はぱっと見た
だけではなかなかわからないということ。
果物のレモンは見ただけでは新鮮なのか、腐っているのか
わからないように、経済学の世界ではこのような状態を
レモンというそうです。
介護サービスもまさにそれに当たります。
そのサービスがいいのか、悪いのか利用者や家族に
とってもわからないように、介護職員にとっても、
その職場がいい職場なのかどうか、入ってみるまでは
なかなかわからないのです。
このメルマガでは、これから介護の現場で働こうとする方、
これから他の介護施設などに転職しようと考えている方、
あるいは現場で疑問や矛盾を感じつつも一生懸命働いている
方などを対象に考えています。
わかりにくい介護の現場を少しでもわかりやすくイメージ
できるように、仕組みの説明や現場の実情などをお伝え
したいと考えています。

